グローバル・コモンズとは

グローバル化する国際社会で生き抜くために
 いまわが国では、急速な勢いで少子高齢化が進んでいます。また最近の金融危機や財政問題に象徴されるように高度経済成長時代から成熟社会に移行しつつあります。戦後68年間、日本国内中心で生きてこられた時代は終わったのです。手をこまねいていれば、わが国は縮んでいき、後退してしまいます。
 一方、世界は大きな変化のうねりの中にいます。地球環境悪化の問題、資源・エネルギーの問題、医療の問題、産業力強化の問題、瞬時に情報が世界に伝わるインターネット社会の問題、格差社会の問題など、どれをとっても地球規模の課題になっています。
 学生の皆さんには、世界に目を向けグローバルな視点に立って、これらの地球規模課題の解決や人類のグローバルな活動を牽引できる人材になってほしいのです。

グローバル人材としての能力・素養
 それではグローバル人材になるためには、どのような能力や素養を身に付ければいいのでしょうか。まずグローバル人材の基礎的能力としてコミュニケーション能力、とくに国際共通語としての実践的英語運用力が重要です。従来の読解力だけでなく、リスニング・スピーキング・リーディング・ライティング力です。
 単に英語をよく話せるというだけでは不十分です。自分が目指す領域・分野で必要とされる高い基礎力及び専門力の上に立って、さらに自分の考えを論理的に整理して明確に表現し伝達する能力、英語での他者の意見の理解力や英語による自己表現力が必要です。また、組織や社会の多様性を活かす柔軟性を積極的に活用し、文化・個性・専門など様々な背景を持った個々の力を最大限に結集し、成熟社会の閉塞感を克服するための知の創造と未来への改革に貢献できる素養が必要とされます。

TSUKUBA Study Abroad プログラム
 このような能力・素養を学修するプログラムがTSUKUBA Study Abroad プログラムです。TSUKUBA Study Abroad プログラムは、基本能力学修科目と実践的能力学修科目からなるグローバル科目群と、それを実現するためのキャンパスと海外が直結した「世界を学びの場」とする環境とから構成されます。
 本学は世界の大学との間で246の大学間国際交流協定を結んでおり、これらの協定校との間でさまざまな協働プログラムを実施しています。平成19年~平成23年度で、協定校に1,427人の学生を派遣してきました。しかしながら、なお、言葉とか安全とか現地での生活が不安、就職活動に不利、経済的負担が大きい、単位の読み替えが困難などの留学に対する障害があることも事実です。これらの「留学が不安」を「行ってよかった」にするための教育プログラムがTSUKUBA Study Abroadプログラムでもあります。それと同時に、国際通用性のある教学システムへの改革や入試システムの改革に取り組んでいきます。

グローバル・コモンズ機構
 TSUKUBA Study Abroad プログラムを実践するハードウェア的な場として「グローバル・コモンズ機構」が開設されました。コモンズはキャンパスの中で「国際性の日常化」を実感する広場を目指しています。学生に対する広場として「スチューデント・コモンズ」、教員に対する広場として「ファカルティー・コモンズ」、職員に対する広場として「アドミニストレータ・コモンズ」があります。これらの広場で実践するメニューは、司令塔としての「コモンズ・ジェネラル」で策定します。
 「国際性の日常化」施策の柱のひとつは、「グローバル30プロジェクト」です。グローバル30プロジェクトでは、英語による学修のみで学位が取得できる英語コースを学士課程3コース、修士課程18コース、博士課程6コース、合計で27コースを開設しています。平成24年度には、グローバル30英語コースに在籍する留学生数が348人になりました。
 「スチューデント・コモンズ」は日本人学生も外国人留学生も一緒に学修し交流する場です。コモンズコーディネータやピアチューターが留学や履修相談に応じます。留学準備セミナー、留学経験者や留学生によるイベント、留学情報やラーニングアグリーメント情報の提供、産業界との連携によるキャリア形成支援などを行います。当初は大学本部に設置する「スチューデント・コモンズ」から出発しますが、次第に各エリア及び学生宿舎などにサテライトを設置していきます。

海外事務所、国内外大学・産業界・官界との連携
 本学は、チュニジア、ウズベキスタン、ベトナム、ドイツ、中国(北京・上海)、インドネシアに、海外事務所を設置しています。海外からの留学生の受け入れや海外への学生の派遣を増大させ、「国際性の日常化」「世界を学びの場」を実現するためには、海外事務所や交流協定校、さらに国内外の大学・産業界・官界との連携が重要です。これらの連携を活用して、さまざまな学生支援策を推進していく予定です。

さらなる展開へ
 平成25年4月に、グローバル・コモンズ機構が開設されました。本格実施までには解決しなければならない課題と時間が必要ですが、できるだけ早く軌道にのせるように努めます。